2019/9/27
WOODギター科 板倉 広征 講師
皆さんこんにちは。ウッドギター科の板倉です。
先日公開された『ギター・ベースソロ自慢アワー』の講師デモ演奏動画は見ていただけましたでしょうか?
まだご覧いただいていない方は、下記動画のリンク先からぜひ一度ご視聴ください!
先生たちのかっこいいソロから、ぜひ皆さんも技を盗んでくださいね。
★講師デモ演奏
▼Rock系(8ビート)【多田講師デモ演奏】
▼Jazz系(16ビートシャッフル)【鈴木講師・中島講師デモ演奏】
▼Blues系(8ビートシャッフル)【椎名講師デモ演奏】
▼Funk系(16ビート)【三浦講師・佐伯講師デモ演奏】
…ところで、このような演奏は一体どうやってレコーディングしているのか、皆さん気になりませんか?
普段からレコーディングをされている方にとっては当たり前の知識かもしれませんが、CDのように綺麗な音質で録音するには、もちろんICレコーダーなどをその場にポンっと置くだけではできません。
今回のデモ演奏は、いわゆる「ライン録り」と呼ばれる手法を使ってレコーディングされています。
※なお、椎名先生のBlues系のみ、少し違った録音法です。
●ライン録りとは?
「ライン録り」とは、ICレコーダーなどに内蔵されているマイクではなく、アンプやエフェクター、DIなどから録音機器へ直接シールドなどを繋ぎ、電気信号として音を記録する録音方法のことを言います。
それに対して、マイクで音を拾う形式の録音方法は「マイク録り」「エア録り」などと呼ばれたりします。
…ちょっとわかりづらいかもしれませんね。例えるなら、好きなTV番組を記録したいと思ったとき、Blu-rayやDVDで録画すれば「ライン録り」、TVの前にビデオカメラを置いて録画すれば「エア録り」です。
TVに関しては、いまどき後者をわざわざやる人はいないですよね。もちろんBlu-rayやDVDに録画した方が綺麗に記録できるからです。
演奏の録音に関しても同じで、やはりライン録りの方が音がはっきりクリアに記録できます。
しかしTVの録画と違って、あまりにも音がはっきりし過ぎているので、そのデジタル臭さが似合わないということもあります。
レコーディング現場においても、アンプの前にマイク(もちろんそれ用のきちんとした機材)を置いて録音するマイク録りの方が、むしろ一般的であるといえます。
ただそのやり方で綺麗に音を録るためには、専用のスタジオで、それなりの機材を用意して、ライブと同じくらいの爆音を出す必要があるので、そう気軽にできるものではありません。近年では音作りの機材も進化しており、ライン録りなのにまるでマイクで音を拾っているかのように設定できる機材も出回っているので、自宅録音のライン録りでもかなりクオリティの高いものが作れる時代になってきています。
●ライン録りに必要なもの
ライン録りに使われる録音機材は、大きく2種類に分かれます。
1.MTR(マルチトラックレコーダー)
「多重録音」ができるレコーダーです。たとえば一度コード弾きでバッキングを録音した後に、ソロフレーズを上から重ねて録ったり(もちろん「1人ツインギターソロ」みたいなハモリもできます)、または弾きたい曲の音源を入れておいて、その上に自分の演奏を重ねて録ったりすることができます。
値段は安いと1万円台からありますが、たくさん音を重ねたり、一度にたくさんのパートを録音できるものは、当然高価になっていきます。
1.DAWソフト(もちろんPCもセットです)
いまではこちらの方が主流かもしれません。PCに音楽の録音・編集・打ち込みなどができるソフトを入れておき、そのPCに機材を繋いで録音するやり方です。
演奏を録るだけでなく、その音源の編集や打ち込みまで出来てしまう分、より機能性が高いといえるでしょう。
こちらもその機能の高さによって値段はピンキリですが、もし演奏を記録したいだけであればMTRで十分かもしれません。
しかし、DAWソフトを使うためには、PCもそれなりにスペックの高いものを用意する必要があります。
●まとめ
基本的にライン録りで記録される音は、普段自分がアンプなどから出している音とは全然違う音質になります。音作りをする際にはライブなどでアンプから音を出す用なのか、ライン録りをする用なのかで作り分ける必要がありますので気をつけましょう。
また、よりはっきりと演奏が記録されるため、普段弾いている最中には聴こえていない自分の演奏の「粗」が、これでもかというくらいわかってしまいます … 。
慣れていない方だと嫌になってしまうかもしれませんが、上達するための練習方法としてはこの上ないくらい役に立ちます。
先生たちや普段聴いているアーティストの演奏のすごさを感じつつ、ぜひ皆さんも活用してみてくださいね!