2020/1/27
WOODギター科 板倉 広征 講師
こんにちは。ウッドギター科の板倉です。
今回は抽象的なテーマですが、ネットの情報や動画でギターは上手くなるのか?ということについて考えてみたいと思います。
以前ベース科のコラムでも「レッスンを受けるメリット」というテーマがありましたが、もう少し掘り下げてみましょう。
●ネットや動画のメリット
メリットとしては何より手軽です。とくに今は大概の情報を見つけることができますし、最近は動画による解説なども多く見受けられます。
お金をかけることもなく、また家にいながら、教則本のように1から10までを順番にやるのではなく、知りたいことだけをピンポイントに探せる…と、非常に手っ取り早く魅力的に感じられます。
●ネットや動画のデメリット
ただ反面デメリットも多いので注意が必要です。
1.正しい情報とは限らない
ネットは誰でも情報を発信することができてしまうため、きちんと正しい情報を読み取る力(いわゆるリテラシー)が無いと、間違った情報に引っ掛かってしまうこともあります。最近のデマ情報による日用品の買い占めなど、これはギターに限ったことではありませんね。
その点、教則本など公式に世に出回っているものは、出版側できちんと校正されているので、情報としては信用できるといえます。
2.情報が一方通行
次に、たとえ得た情報が正しかったとしても、それを正しく解釈できるとは限りません。これは教則本にもいえることです。
たとえばコードの押さえ方ひとつ取っても「どの弦のどのフレットを押さえる」というところまではネットや本でも得られる情報ですが、「手や指をどんな角度で、どこに力を入れて、どの辺りに置くのが良いのか?」というところまでは中々辿り着けません。たとえそれを文字で解説されたとしても、自分のやり方が合っているのかどうかは、直接誰かに見てもらわないと確かめることができないからです。
これは以前のベースコラムでも書かれていた対面式レッスンのメリットですね。
3.そもそも「正しい疑問」を持つことが難しい
個人的にはここが一番の問題点だと思っています。ギターに限らずですが、ネットはあくまでこちらが決めたキーワードに対して、ピンポイントに情報を提示するものです。つまり、そのキーワードがそもそも的外れであれば、正しい答えを得ることはできません。
先ほどの「コードの押さえ方」でなぞらえてみると、たとえばFコードが押さえられなかったとして、とくに初心者の方は何故押さえられないのか?どこが悪いのか?がそもそもわかりません。
仮に「親指の位置が間違っている」とわかっていれば「Fコード 親指の位置」などで検索することが出来ますが、よほど才能がある人で無い限り、大半の方は自分のどこが間違っていてできないのか?を客観的に判断することは難しいでしょう。
●まとめ
何にでもいえることですが、ギターの上達に大事なことは「問題点を正しく見つけること」と「答え合わせ」です。
独学やネット・教則本などだけで上達しようとするのは極端にいえば「小学生に算数のドリルを自分で作らせ、自分で解かせ、答え合わせもさせない」ようなものです。
このご時世ですから、中々外に出て対面式のレッスンを受けるのは億劫かもしれません。もし家で1人で行き詰まりを感じたら、まずは自分の演奏に細かく疑問を持ってみましょう。録音して聴いてみたり弾き方を変えてみたり…色々やれば、問題点を見つけるところまではできるかもしれません。
そしてレッスンに行ったら、ぜひ先生たちに答え合わせをしてもらってくださいね!
次回もお楽しみに。